2015-08-17

平和の灯りを灯すバトン

今月3人の男子中学生がデイサービスに夏の体験ボランティアにきました。
挨拶をすると「僕たち去年もきました」と言うのです。その理由を聞くと、去年は学校の課外活動の目的で来たのだけれど、お年寄りの方の話を聞くのがとても楽しかったとからだそうです。

彼らがいた4日間は8月6日の原爆投下の式典があり、戦後70年、安保法案などのニュースが連日ありで、彼らは80代、90代の利用者さんからリアルな戦争体験を聞く機会が度々あったようです。

これは私も思うのですが、戦時中にまだ幼かった70代の方と、20代や10代後半だった80代〜90代の方の体験はやはり違うのです。目の前にいる70年以上前に彼らの年齢に近かった人たちが語たる話に、彼らが謙虚に、同時に興味深く耳を傾けている様子が伺えて、どんな思いで話を聞いているのか聞いてみたいと思いました。

彼らと話してみると、将来の目標があったり、まだ漠然としながらも思うものがあったり、自分がこれから社会の中でどう生きていくのかを考えていて感心しました。私が中学生の時は外側のことへの関心が全てだったので!
私も介護の仕事を始めたきっかけを聞かれましたので、失敗談も含めて、お話ししました。

最終日に1人づつボランティアをした感想を聞かせてもらうと、3人とも「とても楽しかった」「去年よりも何倍も楽しかった、また来年もきたいです!」「戦争の時の話を聞くことができてよかったです。自分の周りの大人たちから聞くことができないのでよかったです。ありがとうございました。」と言って一瞬言葉が詰まる姿に、利用者さんも私もウルウルと。
若い人の熱い思いがお年寄りのハートを熱くします。
彼らとお年寄りの距離が近くなるのを感じました。

しかし、最後に最も感動的な場面がありました。3人目の学生さんが「僕は、あまり盛り上げるのが上手くなくて、今度はもっと上手く話をして出来るようにしたいです…」と言い終わるか終わらないところで、利用者のNさんが、彼に対して「そのままでいいのよ!」「そのままでいいの」と言ったのです。彼の心の中の気持ちを察したのでしょうか。彼はその言葉にはっと驚き、そして少しの沈黙の後に、その言葉を受け取るように「ありがとうございます。」と言いました。
隣にいた私にもNさんからの言葉が彼に響いているのが感じられて、熱いものが胸に込み上げてきました。

学生さんによってもたらされた心の灯りが、お年寄りの心に灯りを灯し、そのバトンが再び学生さんの心を暖かくする、心の平和を育てるというのは、このような体験の積み重ねなのだと思った出来事でした。


2015-08-12

高齢者こそヨーガ


今年の5月に朝日新聞の月曜日版Reライフのコーナーでヨーガの特集がありました。
鹿児島赤十字血液センターの吉田先生のコメントと一緒に、私が講師をしている板橋区の介護予防教室の取材や、インタビューを受けた感謝の感想なども記事になっています。
高齢による自律神経系の働きの乱れによる身体的、精神的な症状の緩和にヨーガがよい影響を与えることが報告されていますが、ヨーガの体操を通じて集中力、自己観察力を繰り返し身につける練習が、体や心に生じるストレス(緊張)に気づいて、対処するセルフケアになることが紹介されています。